犬種別・特徴・性格など大型犬

●イングリッシュポインター●
外見
ポインターは優れた運動神経と外見的な優美さ、そして力強さを兼ね備えた犬種です。ぜい肉のない筋肉質の体に知的な表情、さらに気品溢れる身のこなしを受け継ぎ、滑らかながらも力強い足取りで歩きます。被毛は短く密集してはえており、全体的にすっきりした流線型の形をしています。

性格
                          機敏であり、力強さ、耐久力及びスピード感を表しています。優しく、安定した気質であって、猟では積極果敢です。怠ることない警戒心で的確にポイント、忠実かつ献身的にハンターをアシストします。また瞬発力・速力・集中力・持久力に優れる、勇敢でタフな猟犬の鏡です。高潔なイギリス紳士然とした姿そのままに聡明で清潔好きですが、少し神経質な一面もあります。

お手入れ
短毛なので、手入れは簡単です。一週間に2~3回、固く絞った布で身体全体を軽く拭く程度で構いません。垂れ耳の場合、蒸れやすいので、耳掃除も定期的に行ってください。

健康上の注意点
セターや他の鳥猟犬と同じで、走ることが大好きです。運動は成犬になったら1日2回1時間程度散歩を行うのが理想です。ボール遊びやフリスビー遊びも大好きなので、楽しく運動させてあげましょう。毛が短いので、寝る時などに床に触れているひじや胸に「寝ダコ」が出来やすいので、ケージのなかにはフカフカなマットやクッションを敷いてあげましょう。

●ゴールデンレトリバー●
外見
犬種的に均整がとれていて力強く、活動的で頑健です。まっすぐな背中の線と、バランスのとれたボディをもっており、水中での獲物の運搬が得意な鳥猟犬として知られています。被毛は平滑毛か波状毛で、水をはじく特性があることから、水中での作業に向いています。また絹糸状のやわらかさはありませんが、短毛な犬ほどは硬くもないです。

性格
性格は明るくておだやかで、辛抱強いため子供たちでも扱いやすいです。常に周囲に注意して目を配り、学習意欲も旺盛です。子どもが大好きで、よほどのことがなければ怒ることもないでしょう。厳しさより愛情をもってしつけるべき犬といえます。また知らない人間に対しては大声で吠えるので、番犬としても適しています。

お手入れ
口の周りや頭部、足など、毛が短くて敏感な部分は、皮膚を傷つけないナイロンブラシや獣毛ブラシでブラッシングしましょう。また、1年じゅう換毛する種類なので、屋内飼いでは掃除や衛生面を考えて、コルク材などのシートを敷いておくことをおすすめします。

健康上の注意点
働くことが好きなので、適度な仕事が規則的にあれば理想的です。少なくてもある程度の内容のある散歩は実行してあげましょう。
アレルギー性の皮膚炎などに注意しましょう。

●ラブラドールレトリバー●
外見
全体にがっしりとした、頑健な体格に恵まれた犬種です。胴は短く幅広く、力強い体には筋肉がたくましいです。広い頭部は額がわずかに盛り上がり、両目のくぼみもはっきりしています。鼻吻部は長く、力強く、幅広の鼻は鼻孔が大きいです。短く密生した被毛は滑らかで、撥水性に優れています。

性格
頼りになり、従順で訓練しやすいです。何といっても感覚が鋭く、温和で利口な犬種です。非常に人なつこいので、警備犬や番犬には向きませんが、家庭犬としてはそこが大きな魅力になるといえます。ほかのレトリーバー種に比べて、少しやんちゃな面があり、幼犬期からのしつけが必要です。

お手入れ
滑らかで短い二層の被毛は、手入れも簡単です。ブラッシングは毎日実行してあげましょう。体の汚れを感じたら、固く絞ったタオルか適温の蒸しタオルで全体を拭いてから、ブラッシングをします。シャンプーは、1ヵ月に1度程度のペースが適当です。

健康上の注意点
毎日欠かさず、十分に運動させてあげましょう。水泳も得意なので水遊びをさせてもいいです。暑さに弱い面があるので、夏期の運動は早朝か夜遅くに行いましょう。肘や股の関節の形成不全や各種の眼病にもかかりやすいので、注意が必要です。

●フラットコーデットレトリバー●
外見
名前の由来にもなっているように、適度な長さの豊富な被毛が平らに生えています。また被毛には絹のような光沢があり、滑らかです。体高と体長が同じで、胸がよく張った筋肉質の体格をしています。

性格
非常に利口なのでしつけもしやすく、家庭犬として人気があります。いつも陽気で、元気に仕事、運動、遊びを楽しむ犬種です。飼い主には非常に従順で、温厚な面をもちます。そのためにも、愛情をもった一貫性のある訓練が必要です。反面で警戒心が乏しく、人なつこいので番犬には不向きといわれています。

お手入れ
絹のような光沢のある、滑らかな毛を維持する上でも、毎日のブラッシングは欠かせません。体の汚れが気になったら、硬く絞ったタオルや適温の蒸しタオルで拭いた後、全体をブラッシングしましょう。シャンプーは1ヵ月に1度のペース程度が適当です。

健康上の注意点
豊富な運動量が必要な犬なので、運動は毎日欠かさずに十分に行いましょう。毎日30分~1時間くらいの散歩を2、3回と、庭先などでの10~20分程度の自由運動ができれば理想的です。暑さに弱い面があるので、夏期の運動は早朝か夜遅くに行いましょう。

●バーニーズマウンテンドッグ●
外見
長くて美しい光沢のある被毛が、均整のとれたがっしりとした体を包み込んでいます。体高より体長がやや長いのが特徴ですが、腹部や腰部の筋肉が発達しているため、見た目はそう長く感じられません。滑らかで長い被毛は量も豊富で、わずかにウェーブがかかっています。

性格
人間を慕う気持ちが強く、飼い主家族との触れ合いをとても喜び、スポーツなどに同伴させると優秀です。ただし、若い犬では性格以上に元気がいいので、しつけはきちんと行う必要があります。護衛犬、救助犬などの訓練にも適した犬だけに、物覚えはよいので、愛情をもって早期から正しくしつければ、頼りがいのある家族の一員になるでしょう。

お手入れ
日常的な手入れは、ブラッシング程度で十分です。被毛の汚れが目立ったらタオルなどで拭き、ときどきシャンプーしてあげましょう。またこの犬の被毛は、丁寧にグルーミングをすればするほど美しくなるので、専門家に手入れをしてもらうことをお勧めします。

健康上の注意点
あまり走るタイプの犬種ではありませんが、散歩は1日2回、最低30分~1時間の運動が理想です。また、スポーツも喜ので、ジョギングやサイクリングにも一緒に連れ出してやるといいでしょう。寒さには非常に強い面がありますが、その分暑さには弱いので注意が必要です。股と肘の関節形成不全にかかりやすいので注意しましょう。

●グレートピレニーズ●
外見
ふかふかで厚い被毛をもち、粗く長い上毛は体に沿うように平らに生え、やわらかな下毛が密生しています。垂れた尾には、特に豊かな飾り毛がついています。体高より体長がやや長めの体形をしており、筋肉に富んでいてたくましさがあります。顔はほかの部位に比べて毛足が短く、低い位置から垂れた三角型の耳、落ち着いた表情を演出する暗色の目が特徴です。

性格
護羊犬として働いていた頃には、敵と判断すると瞬時に襲いかかるという、とても戦闘的な性質だったといいます。その後は改良が加えられ、飼い主に忠実な利口で親しみやすい犬になりましたが、今なお勇敢で、警戒を怠ることがない点では変わっていません。そのため、潜みもっている闘争心を表にださせることがないよう、早期から忍耐強い訓練を重ねる必要があります。体質的には、寒さに非常に強く、暑さに弱い犬です。

お手入れ
白く長い剛毛は、毎日のブラッシングが欠かせません。毛も厚いので、表面だけの手入れだけにならないように気をつけましょう。ピンブラシ、コームなどを使って全体をとかし、しっかり死毛を取り除いてあげましょう。特に下毛が毛玉になると、害虫たちの温床にもなるので注意してください。

健康上の注意点
自由で運動好きの犬種なので、家庭犬であれば1日30分~1時間の散歩を2、3回行いましょう。またこの犬の場合太りやすいので、年齢や犬の状態に配慮して、その距離や内容を調節してあげましょう。夜に強い方なので、時間的な面も配慮しながら運動させるといいです。股関節形成不全になりやすいので注意しましょう。

●ニューファンドランド●
外見
どっしりとした体格をもった犬種です。油脂分を含むダブルコートの厚い被毛は、反対方向になでつけてもすぐに元にもどります。四肢は飾り毛におおわれ、尾にも十分な毛が生えています。足に沼地や海岸を歩くための水かきがついているのが特徴です。

性格
利口で飼い主には従順な犬種です。その上おだやかで、豊かな表情をもち、育ち盛りの子どもたちのよい遊び相手になってくれます。他の犬との同居も問題なく、家庭で飼えば信頼のできる友人になるでしょう。

お手入れ
犬が健康体であれば、それほど神経質にグルーミングする必要はないです。しかし、その輝くような毛並みを保つためには、きちんとした手入れをしてやるようにしましょう。この犬の特徴である、足に水かきをもつため、犬舎の中に外から泥やゴミをもちこむことがあるかもしれません。

健康上の注意点
運動量の豊富な犬種ゆえ、運動のためのスペースは必要になります。散歩に加え、たまに泳がせてあげると、犬にとって精神的に大きなプラスになるでしょう。被毛が厚いため、暑い季節は苦手です。大型犬に多い、股関節形成不全がよくみられるので注意しましょう。

●サモエド●
外見
厳しい環境で、過酷な労働に耐えてきた体は、コンパクトで筋肉質で、頑丈さがうかがえます。骨太で筋肉に富んだがっちりした体形をしていますが、その動きは機敏です。被毛は厚く、よく立った上毛とやわらかく密生した下毛のダブルコートになっています。

性格
利口で親しみやすい面もありますが、活動的で警戒心も強い面もあります。犬ゾリを引いていたことから想像できるように、労働意欲も非常に強いです。また注意深さと活発さがあるので、多少わがままな傾向があります。幼犬時からの訓練やしつけはしっかりと行いましょう。環境への順応性は高いですが、極地に暮らした犬としての性質上、暑さに弱い面があります。戸外での自由飼育に向きます。

お手入れ
被毛の量が多いので、定期的な手入れを実行しましょう。また換毛期には、念入りに手入れをしましょう。被毛が自然に汚れを落とす性質があるようですが、毛色が白だけに、汚れたら固くしぼったタオルで拭いてあげると良いです。また、特に毛の多い胸と尾は、毛玉ができやすいので注意しましょう。

健康上の注意点
犬種的に極地でソリを引いてきた体力をもつので、1日2回、30分程度の散歩をしてあげましょう。極地で暮らしていた犬らしく寒さに強いですが、夏の暑さには弱い面があるため、運動は時間、量とも配慮してあげてください。

●コリー●
外見
長毛種と短毛種があり、前者をラフ・コリー、後者をスムース・コリーと呼んでいます。特に手触りのよい長い直毛におおわれたラフ・コリーは、優雅で気品があります。体つきは大きくたくましく、体形のバランスも良いです。顔の表情も豊かで優しげな目と、先のほうが自然に折れた耳もコリーの魅力のひとつになっています。

性格
たいへん社交的で、飼い主にも従順です。やさしい面をもった犬なので、小さい子どものいる家庭にも最適といえます。明るく活発で、利口なうえに、家族につくすことに喜びを感じる種類です。牧羊犬、救助犬、探偵犬などさまざまなところで活躍しており、非常時には確かな防衛力を発揮します。

お手入れ
見事な被毛は汚れをはじく性質をもつため、分厚い綿毛の層があるわりに、手入れは比較的容易です。シャンプーも、必要に応じて実行しましょう。

健康上の注意点
牧羊犬として羊を追いかけていたこの犬には、十分な運動が必要です。この犬種にとって大切なことは、ストレスがたまらないようにすることで、いつもと違うコースを自転車で走ってみたり、人と犬がお互いに楽しむのが、その内容として適しています。コリー特有の眼病であるCEAなど、眼病に注意しましょう。

●ダルメシアン●
外見
短い被毛はやや粗くて密、光沢があります。白地にくっきりとした黒またはレバーの丸い斑点が入り、その美しさやコントラストなど、どれをとっても実に優雅です。斑点の大きさはさまざまで、たくさん入ってはっきりしたものほどよいとされます。

性格
この犬種の特徴は、活発で遊ぶのが好きな点です。また子供とも安心して遊ばせることができます。利口で温和なためしつけも容易で、筋肉質の体からもわかるように耐久力、スピードがあります。ただし、いたずら好きでやや神経質なところがあり、警戒心が強い面がありますので訓練は優しく忍耐強く、徹底して行う必要があるでしょう。

お手入れ
滑らかで光沢のある短毛種なので、手入れは容易です。クシや硬めの獣毛ブラシで毎日ブラッシングしてあげ、清潔に保つようにしましょう。

健康上の注意点
体つきからもわかるように、かなりエネルギッシュなところがあり、毎日かなりの運動量をこなさせる必要があります。運動不足になりがちな都会で生活している犬では、広い場所に連れ出すことを心がけるようにしてください。
アレルギー性皮膚炎を発症する傾向があるため、手入れの際には必ずチェックをしましょう。

●アフガンハウンド●
外見
何といってもその特徴は、非常に長い被毛です。背中にそった部分と顔部分を除いて、やわらかく美しい絹糸状の直毛の被毛に被われています。体形はスクエアと呼ばれる四角で、腰の骨は高くなっています。四肢は非常にしなやかで、軽快な足取りで歩きます。大きく広がった指先と、美しく曲折した後肢の膝が特徴的です。

性格
利口で機敏、活発、いたずら好きです。さっぱりした性格ですが、人見知りをし、人なつこくない面があります。反射神経、速力、持久力すべてに優れ、猟欲は非常に強いです。誇りも高く、媚びることもないです。したがってペットとして飼育するなら、早い時期から訓練としつけを徹底し、断固とした態度でのぞむ必要のある犬種といえます。

お手入れ
幼犬の頃から、クシとブラシとを使ってコーミングとブラッシングを行い、手入れに対しての習慣をつけましょう。運動後には最も毛玉ができやすいので、腹、四肢の内側を中心に全身を点検します。まず粗めのクシで切れないようにやさしく通した後、ピンブラシでとかします。

健康上の注意点
運動量が豊富な犬種なので、1日30分~1時間程度の散歩を2回行いましょう食事のときは、首にスヌードというヘアバンドのようなものをつけるようにして、被毛が汚れないよう工夫しましょう。股関節形成不全や、眼病にかかりやすいので注意しましょう。

●アイリッシュセター●
外見
ふさふさとした飾り毛のある、絹糸状の被毛におおわれ、その毛色は濃い栗色から赤褐色(マホガニー・レッド)まであります。体高に比べてわすかに体長が長く、四肢は骨太でがっしりとしています。顔つきにもメリハリがあって華があり、なんとも美しく穏やかな表情をみせます。

性格
温和な性質で女性にも人気があります。非常に遊び好きで、屋外でのかけっこやボール遊びなどのパートナーとして適しています。吠えるタイプではなく、穏やかで他の動物や子供に対しても寛容です。基本的に従順で、物覚えはいい方ではないですが、1度覚えたら忘れることはないです。

お手入れ
絹糸状の飾り毛は非常にもつれやすいため、毎日の手入れが必要です。美しいコートと姿を保つためには、クシでコーミングしてしっかりとブラッシングをすることを習慣づけましょう。

健康上の注意点
狩猟欲が旺盛で活動範囲が広い犬なので、毎日の運動は欠かせません。運動が不足すると、集中力がなくなり、しつけも難しくなる場合があります。アレルギー性の皮膚炎や、肘と股関節の形成不全に注意しましょう。

●ボルゾイ●
外見
四肢は長くしなやかで、全体的な印象として引き締まっています。体と比較すると顔は非常に小ぶりです。被毛は、滑らかな絹糸状の長毛で、わずかに波打っているか巻いています。毛色は白が一般的に優勢で、それに多少のブリンドル、グレー、タン、レモン、黒などの斑が入ります。

性格
敏感で機敏で持久力は高いほうです。温和で非常にもの静かなうえ、繊細で感受性も豊かな犬種です。反面、知らない人間など未知のものに対して、簡単に気を許すことはないです。この犬種の訓練に関しては、穏やかさと理解を示しながら、地道に実行するようにしましょう。

お手入れ
日常的にブラッシングや、コーミングを行いましょう。被毛の量が多いので、まず粗めのクシで毛のほつれやからみをほぐしてから、ブラシを入れるようにします。シャンプーは家庭犬であれば、1ヵ月に1度のペースを目安に実行しましょう。

健康上の注意点
毎日30分程度、できれば2回の散歩と、庭先などで行うボール遊びなどの全身運動を組み合わせましょう。犬種の特徴として暑さに弱いので、夏期の運動には注意が必要です。時間は早朝や夜遅くを選び、量を調節するなどの工夫が必要です。

●ジャーマンシェパード●
外見
非常に力強い、均整のとれた美しい体形をしています。被毛は、滑らかな硬い直毛の上毛、やわらかで密生した下毛をもち、その長さは4~6cmほどです。まっすぐな前肢、筋肉に富んだ太ももを伴なった後肢もまた特徴的です。全体には体長10に対して、体高は9と、やや長めの体形をしています。

性格
機敏で知的であり、飼い主には従順です。反面攻撃的な性質が強い点は、警察犬としてふさわしいのかもしれません。訓練に対しては優れた能力を発揮し、知能も高く、天性の賢さをもっています。興奮してはしゃぐことも、めったにないですし、日常は温厚で親しみやすく、家庭犬としても人気が高いです。

お手入れ
粗い被毛は、毎日運動後にクシでとかし、ブラッシングをしましょう。密生する下毛が換毛する時期は、特に入念な手入れが必要です。体の汚れが気になる場合、固くしぼったタオルか、冬なら乾いたもので拭くようにしましょう。

健康上の注意点
犬種自体、暑さと湿気に弱い面があります。皮膚病予防は、夏の防虫対策や犬舎の清掃などを行ってください。外観の割には、色々な病気にかかりやすい点もあるので注意が必要な犬種です。

●秋田犬●
外見
日本犬としてはもっとも大型の種類で、均整のとれた筋肉質の体と、耐水性のあるダブルコートの被毛をもちます。水平な背と幅広い腰は力強く、よく発達したあばら、引き締まった腹部と、重厚感のある体形が魅力です。

性格
もともと闘犬としての資質をもっており、力も強いが我も強いのがこの犬の特徴です。反面、落ち着きがあり、飼い主のいいつけを忠実に守るという性格があります。ペットとしてふさわしい資質を身につけるためには、根気よく訓練してしつけをしていく必要があります。もともと頭のいい犬なので、上手にしつければ飼い主思いの、いい番犬になるでしょう。

お手入れ
粗くて硬い短毛は、入念な手入れが必要です。ダブルコートの被毛のため、春から初夏にかけての換毛期には、やわらかな下毛が体表に浮いてくるので、スリッカーブラシや金属製コームを使って、死毛をこまめに取り除いてやることが大切です。これを怠ると、皮膚病にかかる可能性もあるので注意してください。

健康上の注意点
体形と健康を維持するため、適度な運動は必要になります。活動的で闘争的な猟犬や闘犬の血を継いでいることもあり、毎日十分に運動させてください。
暑さに弱いので、特に夏場の健康管理は重要です。

●ドーベルマン●
外見
筋肉質のスマートな体は優美で、力強いです。体つきは前肢が高くなった前高肢勢で、その姿勢はしっかりとしています。硬い被毛はまっすぐな短毛で、密生しています。毛色は黒、ブラウン、ブルー、イザベラ(薄い栗色)で、赤錆色の斑が定位置にあるものがよいとされています。

性格
警備犬としての条件である、訓練やしつけのしやすさ、服従性のよさなどを満たした犬種といえます。いつも神経を張りつめ、警戒をゆるめることはないので生涯主人に対して忠誠を尽くして、他人になつくことはないと思っていいでしょう。従順ではありますが、しっかりとした訓練が必要で、もともと攻撃性があるので、ケンカや噛みつき癖を防ぐためにも、幼犬期から徹底してしっかり行う必要があります。

お手入れ
滑らかな短毛なので手入れは容易です。毛質も硬く、基本的には運動後のブラッシングだけでも十分です。汚れが気になってきたら、固く絞ったタオルで全身を拭くようにしましょう。

健康上の注意点
運動は不可欠で、それもかなりの量を必要とします。股関節形成不全をはじめ、病気には十分注意しましょう。

●オールドイングリッシュシープドッグ●
外見
被毛は豊かに密生した粗く長めのむく毛の上毛と、防水性のある下毛のダブルコートです。大きく四角味を帯びた頭と鼻先には、目を隠すように長い毛が生えています。体長と体高はほぼ同じで、バランスのとれた体格をしています。幅広い胸をもつのも特徴です。四肢は被毛により太くみえますが、骨格も頑丈で伸びやかです。

性格
陽気で賢く、もの覚えもいいです。活発で親しみに溢れますが、かなりな自信家でもあるので、訓練やしつけは幼犬のうちからしっかりと行いましょう。飼い主がリーダーとしての訓練を怠ると、プロの訓練士も手を焼くほどになるので注意が必要です。大きく響く吠え声のもち主ですが、耳障りなほどは騒がしくはないです。

お手入れ
粗く長い被毛の状態を好適に保つためには、日々の手入れが必要です。少なくとも週に3回、できれば毎日水をはじく下毛までブラッシングとコーミングをしてあげましょう。定期的に専門家に任せて、被毛を手入れしてもらうといいでしょう。

健康上の注意点
走ることが好きなので、運動は適量を行いましょう。毎日30分程度、2回の速歩などによる散歩と、庭先で行う全身運動を10~20分程度組み合わせて行うといいでしょう。股関節形成不全にかかりやすいので注意しましょう。

●グレートデ-ン●
外見
バランスのよいスクエアな体形で、後躯に比べ前躯が著しく高い体勢をもっているのが大きな特徴です。肩の筋肉が十分に発達し、胸は非常に深いV字形で、あばらもよく張っています。被毛は厚く滑らかで光沢がありますが、その毛足が非常に短いです。

性格
勇敢で気迫に富み、かなり頑固な面があるので、この犬には常に飼い主が主導権をもって接し、声だけで制御できる犬にしつけることが重要です。
人の側にいることを好み、飼い主を喜ばせたり褒められたりするのが好きで、かまってほしがったり、家族の一員なんだと認識したがるところがあります。
優しく温和で、賢明な犬なので、早い時期から一貫したしつけや訓練を行えば、楽しく頼りがいのある家族となるでしょう。

お手入れ
短毛種なので、手入れは基本的に容易ですが、きれい好きな犬なので、運動後のブラッシングは不可欠です。定期的に専門家に依頼して、シャンプーのほか、ツメや耳、歯、肛門などの手入れをしてあげましょう。

健康上の注意点
運動量の豊富な犬なので、1日1、2回程度、散歩をしましょう。運動さえ満たされれば、あとはのんびりと1日を過ごすこともできる犬です。十分な運動とたっぷりと睡眠をとることの組み合わせが、健全な身体と精神の維持に欠かせません。

●ブリアード●
外見
ブリアードは、体高より体長がやや長く、横から見ると正方形に近い胴体を持っており、力強く、立ち姿が非常に格好のよい犬種です。他のすばらしい牧羊犬と同じように、この犬種も、力強さと柔軟性、機敏さと忍耐力を兼ね備えています。下毛は細やかで密にはえており、粗くゴワゴワした手触りの長い上毛が、少しウェーブがかかった房のようにになってはえています。 肩のあたりの被毛が約15cm以上と特に長くなっており、目の上と頭部にも長い被毛があり、警戒心に富み、自信に満ちた雰囲気をさらに強調しています。

性格 
      賢く従順かつ忠実です。古風な作業犬らしく、強い自負心と防衛本能も持ちあわせています。とにかく親しみ深い性格です。ただし、見知らぬ人には距離を置き、他の犬に対しては攻撃的になる傾向があります。室内でゆったりと過ごすことも大好きなので、小さな子供の子守り役としても最適な犬種です。

お手入れ
長毛なので毎日コームや獣毛ブラシなどでブラッシングをしてください。
シャンプーは月に1~2回でOKです。目の中に毛が入りやすく、眼疾患になりやすいので目のまわりはよくチェックしてください。垂れ耳なので蒸れやすいため、耳掃除もこまめに行ってください

健康上の注意点
ある程度の運動量が必要です。朝夕2回、各1時間はお散歩や自由運動などで走らせてください。運動不足になると肥満になることもありますので、運動と食事の管理には注意してください。

●ボクサー●
外見
たくましく引き締まった体と発達した筋肉が優美で、伸びやかなラインを描く、スクエアな体格をしています。全身は光沢のある短毛におおわれています。 ブルフェイスをもった犬で、アンダーショットと呼ばれる独特の受け口と大きな鼻孔、余分なたるみのない厚い口唇が特徴的な犬種です。

性格
頭がよく訓練しやすいため、軍用犬や警察犬として広く使われていました。忠実で頼もしい番犬としての性格と、いたずら好きでフレンドリーな性格を併せもっています。多少コントロールの難しい面もあるので、厳しすぎるしつけも過度の甘やかしも禁物です。

お手入れ
短毛種なので、日常の手入れは容易です。毛なみに逆らってぬらしたり蒸らしたタオルなどでよく皮膚の汚れを拭きとり、新陳代謝をよくしてあげましょう。また換毛期には、毎日ゴムブラシなど肌を傷つけないようなものでブラッシングをし、死毛を除去してあげましょう。

健康上の注意点
たくましい体つきからもわかるように、非常に活動的な犬種です。そのためストレスをためないようたっぷり運動させてやることが必要です。鼻がつぶれたような形のため、副鼻腔感染や呼吸障害を起こすことがあります。また皮膚癌にもかかりやすいので注意が必要です。

●ローデシアンリッジバック●
外見
体高より体長がわずかに長い体型を持ったローデシアンリッジバックは、スピードとパワー、持久力を兼ね備えた犬種です。普段は大またの歩幅でゆったりと歩きます。また、暑い気候の中で活動するのに適した、少々油っぽい短毛で全身が覆われています。 この犬種の外観としての最大の特徴は、背にうねのように隆起した逆毛(リッジ)です。肩の後ろから、左右の座骨の真ん中あたりまで、左右対称に被毛が逆向きにはえています。

性格 
                                ライオンを粘り強く追跡して、追い詰めれた所をハンターが仕留める、といった狩猟に使われてきた猟犬です。勇気があって状況判断が適確にでき、瞬時に行動できるタイプの犬種です。しかし、普段は攻撃的な面は一切なく、のんびりした温厚な性格の平和主義者です。 

               お手入れ
                               被毛の手入れは最低限のもので大丈夫です。時々ブラッシングをしてむだ毛を取り除いてあげましょう。

健康上の注意点
ローデシアンリッジバックは、走ることが大好きです。ストレスがたまらないように、毎日精神的にも肉体的にも刺激を与えるような運動が必要です。
温暖な地域であれば屋外で過ごさせることもできますが、屋内で眠れるスペースを確保してあげた方がよいでしょう。できれば家の中で遊ぶ時間と庭などで遊ぶ時間を設け、内と外で過ごす時間をバランスよく調整してあげるのが理想的です。

●ワイマラナー●
外見
バランスのとれた、たくましい体に恵まれた猟犬で、大きな特徴は、青みがかったグレーの短毛と瞳の色です。被毛は短く滑らかで、ツヤがあります。毛色は、ねずみ色がかったグレーから銀色がかったグレーまであり、頭部と耳は多少明るいです。

性格
鋭敏で頭がよく、意志が強くて、いつも活気に満ちていて、感覚にも優れています。大胆ですが周囲の状況を素早く察知する警戒心もあります。猟犬としての生い立ちからわかるように、スピードとスタミナも抜群で、運動も作業も淡々とこなしていくでしょう。服従訓練の飲み込みも早く飼い主に忠実なので、番犬としても、家庭犬としても、十分にその役割を果たします。

お手入れ
短く滑らかな被毛は、簡単な手入れでその状態を保てます。週2回ほどのペースで被毛の汚れ取りと、マッサージを兼ねて固く絞ったタオルで全身を拭いてあげましょう。また状態をみて、獣毛ブラシやラバーブラシを使って、皮膚を傷めない程度にやさしくブラッシングしてあげましょう。

健康上の注意点
1日2回、最低でも30分~1時間程度の散歩をしてあげることが大切です。また、猟犬としての活動的な性格を満足させるには、広い場所での自由な運動も加えてあげるのが理想です。短毛種のため冬の寒さには弱いので、保温には気を配る必要があります。

●シベリアンハスキー●
外見
頭部の大きさと胴体とのバランスがよくとれており、胸は深くてあばらがよく張っています。腹部も引き締まり、腰や四肢の筋肉は発達しています。目はアーモンド型で、瞳はブルーかブラウンで、左右の目で色が違う犬も許されています。被毛は、まっすぐで滑らかな上毛と、やわらかな下毛の厚いダブルコートです。

性格
オオカミを連想させるこわもての顔立ちに似ず、従順で人なつこい優しい犬種です。性質上集団性に富んでいて、家族によくなつくだけでなく、知らない人にまで友好的な態度を示す犬もいます。そのため、番犬としては不向きといわれている犬種です。また頑固な面もあるので、早い時期からの服従訓練と、正しいしつけを行うことが大切です。

お手入れ
被毛の手入れは容易です。しかし、運動後には犬とのスキンシップを兼ねて、毎日ブラッシングをあげましょう。特に白い毛の部分は汚れも目立つので、1週間に1度は熱い湯に浸して、固くしぼったタオルで拭いてあげましょう。また換毛期には、ブラッシングとコーミングをしっかり行い、死毛を取り除いてあげる必要があります。

健康上の注意点
とにかく運動が好きなので、豊富な運動が必要です。1日2回、それぞれ1時間程度の散歩をしてあげましょう。暑さに弱いので、特に夏場の健康管理は重要です。股関節形成不全がみられる場合がありますが、基本的には病気の少ない種類といえます。

●サルーキー●
外見
運動能力に優れた体形は、優美で均整がとれています。すらっと長い四肢、細身の体、柔和でおとなしそうな顔立ちからは想像しがたいですが、砂漠地帯の猟犬として鍛えられた頑健な肉体のもち主でもあります。被毛はやわらかく絹糸のように滑らかです。全身を包む毛は短いですが、胸元の毛はやや長く、耳の毛は長く、尾の下側や、前肢と後肢の一部に長い飾り毛があります。

性格
おとなしく、優しく利口で、とても忠実な犬種のため家庭犬として向いています。豊富な運動をとること以外は、基本的に手のかからない、頑健な犬です。性格はおだやかで人に対する愛情も深く、やや内気なところがあります。そのため、一緒に運動をしたり世話をしてくれる人にだけよくなつくという面もあります。

お手入れ
柔らかく滑らかな絹糸状の被毛は、比較的手入れも容易です。毎日の手入れとしては、耳、尾や四肢などの飾り毛のコーミングだけでも十分です。毛の短いところのブラッシングは、光沢のあるやわらかな毛質を傷めないように、獣毛ブラシやラバーブラシを使うといいでしょう。汚れが目立ってきたら、固く絞ったタオルで拭き取って、必要に応じてシャンプーをしてあげましょう。

健康上の注意点
もともと長距離走者なので、できれば広々とした場所で、自由に走らせる機会を作ってあげましょう。かなりの運動量を必要とするため、1日2回の散歩を最低30分~1時間、たっぷり運動させてあげましょう。獲物をみつけると一目散に走り出すという性質があるので、呼んだら戻るという訓練を、幼犬期からきちんと行っておくことが重要です。遺伝的な眼病に罹りやすい面があるので注意しましょう。