犬の避妊について

●なぜ全ての雌犬は避妊すべきなの?●
「乳腺癌」最初の発情が来る前に避妊手術をすると、乳癌になる確立はゼロに近くなります。最初の発情後だと発生率は7%に上がり、2回目の発情後には25%(4頭中1頭!)となります。この癌は命に関わる病気ですが、早期の避妊手術で完全に予防することができるとわかっています。しかし、2回目の発情を過ぎたらもう遅いのか?いいえ、明らかな腫瘍ができた雌犬でも、避妊手術は重要です。これは、多くの乳腺腫瘍がエストロゲンに刺激され、エストロゲンの基となる卵巣を取り除く事は、腫瘍の広がりを遅らせるためです。避妊は子宮と卵巣を取り除き、乳癌の治療と共に予防としても重要です。
エストロゲン。(Estrogen)は、ステロイドの一つです。一般に卵胞ホルモン、または女性ホルモンとも呼ばれます。

●避妊手術の効用は?●
雌犬は大体8カ月おきに発情が来ます。陰部から出血があり、近くの雄犬を引き寄せます。しばしば不快な匂いがあります。これらは避妊で全てなくなります。
次に問題行動ですが、食欲がなくなったり、突然吠えたり噛み付いたりと言うことも激減するのです。

●子宮蓄膿症って?●
"子宮蓄膿症"は命を脅かす子宮の感染で、中年齢以降のメス犬に通常起こり、発情後6週間以内に発症します。"プロジェステロン"というホルモンは、子宮の中が血液で満たされ子宮免疫機能の抑制が増すことにより妊娠の状態に子宮を準備します。発情中は膣から子宮に細菌が入り込み、感染を起こすのは容易です。子宮蓄膿症の子宮は急激に腫れ上がり、膿、細菌、壊死組織、毒素で満たされます。治療しなければペットは死亡します。深刻な状態であっても命を救うために早く卵巣子宮切除をする必要があります。これは避妊をしていない老犬にごく一般的に見られる疾患です。子宮蓄膿症は"起こるかもしれない"というものでなく"多分起こるだろう"と考えましょう。避妊をしていない老犬は、発情周期が不規則となります。人の閉経のように発情周期が終わることはないのです。まだ避妊を行っていないのなら、子宮蓄膿症によく見られる症状に気を付ける必要があります。それには食欲喪失、嗜眠、嘔吐、過度ののどの乾き、顕著な下り物などがあります。

●退院後起こるかもしれないことは?●
手術後、何も起こらなければ、通常、次の日に退院しますが、2,3日の鎮痛処置が必要な犬もいます。最初の2、3日は吐くかもしれないです。術後1日、または2日は餌を食べなくても異常ではないです。縫い目をなめるような犬にはエリザベスカラーの装着が必要となります。これは犬にとって快適なものでないですが、抜糸、または傷が治癒するまできっちり使用するべきです。手術後1週間、運動は制限します。過剰な運動は、腫れや、傷の下の液体貯留を引き起こす可能性があります。液体が溜まっても、2,3週間で解消するはずです。もし、液体貯留ができてしまい、切開部からの排液があるようなら、再度受診するべきです。避妊はどの年齢の雌犬にも当てはまる、最も重要な予防的健康処置のひとつです。

●行動変化はなにが起こるの?●
明らかな行動変化は起こらないです。避妊による健康への利点は、無視できないほど重要なので、あなたの犬のために避妊の予定を立ててください。

●費用はどのくらいかかるの?●
メス避妊手術は25,000円~30,000円 ですが、手術後に3日間程度の入院などが必要となります。合計すると 45000円~50000円ほどです。
料金は病院によって異なるので、事前にかかりつけの獣医師に確認しましょう。